「04:とろけた顔 アレハレ」
はぁ〜〜・・・
緩んだ口元が小刻みにふるえ、長く、熱い息を吐き出す。
鋭い光を放つ眼も、今だけは快感に、鈍く滲んでいる。
身体から発する熱のせいなのか、顔の線も、首筋も輪郭がぼやけて、まるで桃色の膜を纏ったようだ。
こんな姿を、自分も相手に晒しているのか。
熱で酔っ払った頭で、ただ、ぼんやりそんなことを思う。
彼とこんなことをするようになったのは、随分と幼い頃だ。
寂しくて、寂しくて、孤独が身をきるようで。
自分達は、いつもふたり。ふたりだけ。
だから、寄り添う。
頭の中でこんなことをしている。
異常だと思う。不毛だと思う。
でも、自分達にはどうしても必要だったのだ。
蕩けた顔を見下ろして、アレルヤは汗で顔に張り付いた髪をかき上げる。
ひどく、喉が渇いていた。
―――おい。
けだるげな声に呼ばれる。
まだ、身体はつなげたまま。
「・・なあに、ハレルヤ」
自分とまったく同じ形をした手に、頭を引き寄せられる。
「あ・・ン」
重なった唇から漏れた吐息は自分のモノだけれど、けれど、唾液も、汗も、同じ味。
胸を弄る指も、その爪先も、寸分違わぬ同じ物。
だから。
抱いても、抱かれても、何も違わない。どちらでも同じなのだ。
舌を絡ませながら、かたさを取り戻したそれで、濡れて熟した場所を捏ねるよう突き上げた。